霊０９３－霊０９３　「霊」に関する文献（２）

　　　だから、バイブルとニューテスタメントとを混同しているところもある。　さらに、イエスキリストの奇蹟を記述した新約聖書は、キリストの死後に、弟子たちによって作られた資料である。　だから、どのようにでもストーリーを作り出す事も出来る、という人間的側面が全く考慮されていない。　まあ、宗教というのはそうした性格を持っているのは普通だと思うが。　カッコ内には私個人の経験をしよう。

　　　次の奇蹟に関する話は、非クリスチャンなら疑問を持つはずだが、そうした疑問を解決する説明を聞きたいのが非クリスチャンだろう。　「イエスが起こした奇蹟は本物か」では、１１の奇蹟が紹介されている。

　　　病気を治した：　これは神の力ではない。　霊の力を使ったか、心理的なカウンセリングか、トリックで十分出来るだろう。　（私なんか、子供には「痛いの痛いの、飛んで行け」をした。　大学教授をしていた時は、ゼミ生の病気を治してあげた。）

　　　死人を蘇らせた：　医学的にも可能なようだ。　でも事後的なストーリーのように思われる。　（「霊チサ」が、霊界で３回も暗殺されたが、生き返らせたよ。）

　　　悪魔を退散させる：　これは霊的、心理的な行為で、神とは関係無くてもできるはず。　（私は悪魔なんて見たことはない。）

　　　透視をする：　事前情報さえあれば簡単だ。　リーディングもそうだ。　

　　　吹き荒れる風を静める：　そんなのは、数日まてば、風は収まる。　また、気象庁のホームページでナウキャストを見れば、５分後のでも１時間後のでも、天気は予測できる。

　　　水の上を歩く：　サーフボードにでも乗っていたのでしょう。　（イエスキリストが霊であったなら、そんなことは簡単です。）

　　　７つのパンを５０００人に分け与える：　ボランティアがパンを寄付したのでしょう　。　パンは「例え」なので、実際には、パンは「教え」という情報だったと解釈すべきでしょう。）

　　　予知する能力：　どんな村にも、家畜はいた。　（私だって、「右の方角の村には食べ物がある」くらいの余地はできる。

　　　自分が復活することを予知した：　死んでから数十年とか１００年も後に書かれた文章だから、いくらでもフィクションを作ることができる。

　　　霊魂として自分を物質化させる：　そんなのは、代理を立てれば出来ること。

　　　霊体から話しかける：　新興宗教では常識。

　　　どうも、この著者は「霊」とか「組織的宗教」を全く理解していないで、　ニューテスタメントはイエスキリストが生きている時に書き上げていると誤解しているのかもしれない。

　　　もう少し、まともな文章を書いてもらいたい。　まともと言う意味は次の条件を満たすものである。

・　イエスキリストには霊能力があったことを理論的・論理的に立証する

・　その霊能力はどのようなものであったかを詳細に説明する

・　聖書はキリストの死後に、事後的に作られたものであるから、霊能力がどのような過程でストーリー化されたのかを歴史的視点からも考えてみる

・　奇蹟と言う物は、トリックでも再現できる。　現在のマジック技術や霊媒詐欺で使われているトリックで説明できるものと出来ないものとを峻別して記述してもらいたい。

　　　最初の数十ページを読んで、それ以後は読まなかった。

霊０９３－０７　『再会』

０９．０１．１４．

　　　塩田芳享『再会ー死んだ家族にもう一度逢える』文芸春秋、２００８年。

（１）　著者はプロのジャーナリスト

　　　著者の塩田さんは１９５７年生まれのジャーナリストである。　週刊文春などで、医療問題を取り上げていた。

　　　この本で採りあげた霊能者は霊媒と霊視とが得意な平田照美さんと言う方である。　　霊媒活動をした時には、その降霊した人の会話の多くをテープにとっている。　さらに、書記の人が話の内容も記録している。　証拠としては、かなり強力だ。

　　　そのテープなどを利用してこの本を書いたが、プロのジャーナリストらしく、その裏付けをとりまくっている。　その霊媒に参加した人からの話し、霊媒集会に一緒に参加した人にインタビューしている。　親類縁者や祖先の名前が出てきた時には、家系図に遡って調査をしている。

　　　出版社は文芸春秋で、まともな会社だと思う。　うそか本当かは分からないが、一読する価値のある本だ。　私は本当だと思っている。　なぜなら、私の初級の霊能力が中級になり、上級になったら、このようなことができると感じたからだ。

（２）　平田さんの霊能力

　　　この霊能者のすごいところは「あなたの祖先は泣いています」なんていう、一般的な表現はしない。　「あなたの祖先には『勇作』と言う方がいますね。その方からの連絡です。」と言った具合に、固有名詞が出てくるところだ。

　　　本の内容は、死者と現世の人との会話がゴチックで書かれていて、著者がコメントしているだけだ。　難しい事は一切言っていない。　事実らしいことだけが書かれている。　だから、この本の説得力は非常に高い。

　　　私も沖縄から三重県に飛んで、霊媒や霊視を体験するつもりです。　私は平田さんは本物の霊能者と信じていますが、仮にですよ、本当に仮にですよ、仮にトリックであっても、詐欺であっても、こんな素晴らしい霊体験はできません。　

　　　私は、霊能者に付いて、自分で霊活動をしているから、何が本当で、何が嘘か位は判断できます。　

　　　平田さんの霊媒の音声テープと体験者の声を、下記のサイトで聞くことができます。　ぜひ聞いてみてください。

　　　　　http://saikai-web.com

　　　この録音がなされた交霊会の詳細は、この本に書かれています。

　　　この本は、私が書評する余地はないくらいすごい。　インターネットのアマゾン　なら中古本が安く買えます。　私はいつもここで１円くらいで古い本を買っています。　配送料が確か３５０円くらいです。

　　　とにかく、この本を読んでみてください。

霊０９３－０８　『日本編　死後世界地図』

０９．０１．１７．

　　　秋山眞人『日本編　死後世界地図』コスモトゥーワン、２００６年。

　　　確か、外国の本の翻訳で、『死後世界地図』という本が２冊出ていたような記憶がある。　まだ、読んでいない。　本のカバーには「日本の一流霊能力者・哲学博士が霊界の最新情報を明かす！」、「前世の仕組みがはっきりと見えてくる！」、とあった。

　　　経歴を見た。　どこの国の何と言う大学で、どのような領域の博士号を授与されたのか、書かれていない。　「サンリオｓｔａｒ大占術」では十万人近い利用者を持つ、と書かれていた。

　　　本を読んだ。　客観的な証拠は全く書かれていない。　だから、それが正しいかどうかの判断は全くできない内容となっている。

　　　女性週刊誌のコラムなら楽しい読み物になるかもしれないと、高くは評価は出来る。　星占いとか、姓名判断とか生年月日による占い、なんかよりは夢があって面白い。　

霊０９３－０９　『日本「霊能者」列伝　通力』

０９．０１．１７．

　　　別冊宝島編集部編『日本「霊能者」列伝　通力』宝島社、２００８年。

（１）　面白い本だ

　　　この本は、すでに死亡した日本の霊能者と言われている３０人の人を採り上げている。　４人の著者はいずれも霊能者ではない。　ジャーナリストだ。　

　　　ジャーナリストらしく、資料調査、関係者への面接調査、を通して、可能な限り客観的に人物像を描こうとしている。　明治時代に「霊の研究」をした東京大学教授などの残した資料も使っている。　同時に、霊的な活動に関しては、ジャーナリストとしての観点からの多くの疑問も提示している。

　　　多分、読者の方も知っている名前が出てくると思うので、これらの３０人を１行ずつ、目次の見出しで紹介する。　本当かウソかは問わないで、暇な時に読むのも面白いと思う。　とりわけ、霊能者でビジネスに成功している人も取り上げているから、楽しい。　

　　　霊的な・宗教的な・神秘的な（と感じさせる？）能力で持って、カリスマになっていくケースも、人事管理の面から評価すると面白い。　秘薬・修行法などの新製品や新サービスを作り出すプロセスもマーケティングの視点からは参考になる。

　　　衆議院議員・モーター屋・漢文教師・東京帝国大学講師・合気道の創始者・甲賀流忍者、などから霊能者になったケースもある。　人生は１回きりではなく、繰り返して異なった人生を楽しめることがわかる。　

（２）　採りあげられた３０人の霊能者

　　　時代を象徴した５人の霊能者

明治末期・千里眼ブームの火付け役　　御船千鶴子

「大本教」率いた伝説の怪人　　　　　　　出口王仁三郎

現代によみがえった「千里眼女性」　　　宜保愛子

非業の死を遂げた「奇跡の少女」　　　　藤田小女姫

ＧＨＱを敵にしたカルト教団教祖　　　　長岡良子

　　　第１章　神のお告げを聞いたーーカリスマと呼ばれし者たち

突然神がかった農婦　　　　　　　　　　　　北村サヨ

「山師」扱いにされたカリスマ　　　　　　　田中森平

元祖チャネリング　　　　　　　　　　　　　　高橋信次

超古代史を語る宇宙への案内人　　　　竹内巨麿

　　　第２章　千里眼・念写・予言ーー見えない者を見し者たち

世界初の念写成功者　　　　　　　　　　　　長尾郁子

時空を超えた”神”の念写　　　　　　　　　三田幸一

トランス状態で念写　　　　　　　　　　　　　高橋貞子

千鶴子以上の透視能力　　　　　　　　　　森竹鉄子

大実業家で「高島易」の創始者　　　　　　高島嘉右衛門

関東大震災を予言した　　　　　　　　　　　九鬼盛隆

三島由紀夫にも影響を与えた　　　　　　　友清歓真

天皇の相談役も務めた仙人　　　　　　　　国安仙人

帝都のラスプーチン　　　　　　　　　　　　　飯野吉三郎

　　　第３章　霊術医療・武術ーー人体に奇跡を起こせし者たち

豪放磊落（らいらく）術の怪人　　　　　　　　　浜口熊嶽

漢文教師から催眠術師に転進　　　　　　　　桑原俊郎

衆議院議員から霊術師へ　　　　　　　　　　　江間俊一

”別格”と評価された男　　　　　　　　　　　　　村上辰午郎

朝鮮で身につけた霊術　　　　　　　　　　　　　田村霊祥

著名文化人にも愛された静座法　　　　　　　岡田虎二郎

神人合一の域に達した合気道創始者　　　　植芝盛平

霊能・忍術を駆使した古武道家　　　　　　　　藤田西湖

　　　第４章　物理霊媒ーー動かないものを動かせし者たち

正体不明の”最高の物理霊媒”　　　　　　　　亀井三郎

モーター屋から霊能者へ　　　　　　　　　　　　本吉峰山

暗闇の物理霊媒師　　　　　　　　　　　　　　　　津田江山

　　　そして、参考文献も巻末に掲載されている。

霊０９３－１０　『現代の霊能力者たち』

０９．０１．１７．

　　　青山央『現代の霊能力者たち』大陸書房、昭和６１年。

　　　古い本です。　四半世紀も昔の本です。　ですから、「現代の」ではなく、「昭和の」となるでしょう。　著者は宗教ジャーナリストですから、その道には詳しいと思います。

　　　全部で１５人の霊能者を採りあげて紹介しています。　ただ、科学的、または、直観的、または、論理的、または、体験的、または、再現的、または、その他のタイプの証拠を、筆者は示す事が出来ていないから、霊体験のない人とか知識のない人は、信じることは難しいと思う。

　　　私だって、この１５人の霊能者のうち、信じられそうだなと感じたのは、数人しかいない。　そうした数人を紹介しよう。

　　　「まえがき」と「あとがき」を書いた著者は、宗教ジャーナリストを名乗っている割には、体系的な知識は少ないと感じた。　聞きまくって文章を書くタイプのジャーナリストのように感じた。

１）　「念力エネルギーで　あらゆる病を治す　脊柱瞬間直立法ーー十字式健康法」

　　　阿久津政人ーー代表宗癒師・医学博士

　　　これは「ありうる」。　「すべての病を治す」なんて詐欺臭いが、この人の経歴と、治療の方法を理解すると、上記のタイトルは９０％以上正しいと思う。

　　　基本的な考え方は、カイロプラクティックに似ている。　人間は直立歩行を始めた時から、脊柱に負担がかかり、前後左右上下に変形し始める。　すると、神経系、血管系、筋肉系などに悪い影響が出てくる。　私はカイロプラクティックを長年使ってきたから、このことはよくわかる。

　　　私が経験した、「本物のカイロプラクティック」の劇的な治癒成果を紹介しよう。　

四十肩や五十肩は１回の治療で治る。

ギックリ腰は２回で治る

長年苦しんだむち打ちは３回で治る

そんな感じだ。

　　　まず、自分で判断できることから点検してください。

　　　家族の人に、点検してもらってください。

　　　自分の背骨の一つひとつが前後・左右に飛び出している。

　　　背骨全体が湾曲している。

　　　自分の顔の、左右のバランスが崩れている。

　　　　　　どこかの国の首相は顔が完全に歪んでいます。　

　　　　　　顔の歪みが脳を圧迫して、小学生並み発想しかできないのでしょう。　

　　　カイロプラクティックの本は書店に沢山ありますから、カイロプラクティック学院の院長が書かれた本などを何冊か読み比べてください。　なお、米国のカイロプラクティック大学を卒業された術師には、本物の術師が居るはずです。

　　　この医師の施術でカイロプラクティックと異なる点は、背骨を矯正する時に、指先で物理的な力を加えるのでなく、念力で矯正するのです。　さらに念力でもって必要なエネルギー（？）を吹き込むようです。

２）　「心霊治療と言うものを　みんな　知らなすぎる」

　　　渡辺政治ーー霊感師　　東京心霊研究所所長

　　　この人の考え方を紹介しよう。　霊能者煮になるためには「素質」と「努力」が必要だ。　素質のある人は、修行なんかしないでも大丈夫。　これは面白い考え方だ。

　　　普通は、守護霊というのは１人と思われているが、守護霊と言うのは「背後霊団」を形成している。　それぞれの霊の得意な分野で分業して霊能者を助けている。　これも面白い考え方だ。

３）　「霊能者は　人格者であるべきです」

　　　松林秀豪ーー霊感師　千手会会長

　　　そのとおりだと思う。

霊０９３－１１　『不思議な力を持つ私』

０９．０１．１８．

　　　西本奈央『不思議な力を持つ私』ＫＫベストセラーズ、２００１年。

　　　ありとあらゆる霊体験をしているように書いている。　でも、その証拠は全く書かれていない。　すべての場所とか氏名は「仮名（かめい）」になっている。　学校時代の友達の名前から弟の名前まで、全部が仮名だ。　こんな本は、私は信用しない。

　　　現在はタロット占いを商売にしているとのこと。　本当に霊能力を持っていたら、占い師にはなっていないはずだ。　タロット占いの商売を売り込むための本だと思うと、それなりに「撒き餌」にはなるかもしれない。　

霊０９３－１２　『日本列島霊能者列伝』

０９．０１．２５．

１）　全体評価

　　　北出幸男『日本列島霊能者列伝』グリーンアロー出版、平成元年。

　　　これは読み物としても面白い本だ。　著者はフォトジャーナリストで、現代科学などに詳しいとともに、インド思想、超能力・心霊にも精通している。　だから、取材結果に対しても、客観的に評価しようという態度が見られる。

　　　霊能者のプロフィール、氏名、連絡先の住所と電話番号がすべて明記されている。　また、本文中にも著者の意見が書かれているのも良い。

　　　さらに、「あとがき」にも書かれているが、取材したすべての霊能者を「自信を持って勧めている」わけではない。　さらに、「良い霊能者」を選ぶための１０のチェック・ポイントを提示している。

　　　全部で１９人の霊能者を採りあげている。　最初の６人に関しては、そんなものかな、という感想だ。　次の中村和子と河原龍靖は非常に面白い。　その後に続く、中野心聖、川村法寛、山崎敏子、は、民間療法を提示している。

　　　「あとがき」は良く出来ている。

２）　中村和子

　　　最初の４ページの前世に関しては、何回も輪廻を繰り返していて、ここに書かれているのは有名人だらけだ。　それで最後に出てくるのが天照大神となっている。　？？？？。

　　　次のページからが良い。　守護霊との初めての出会いの状況を説明している。　これはありうると思う。　

　　　次の「中村和子のパワーアップ術」も楽しい。　最後の結論は、「毎日の生活の場を整える」である。　具体的には、付き合う人を選びなさい、ということ。

・　　明るく暮らしている人

・　　元気の良い人

・　　会っていて気持ちの良い人

　　　私は、それは、その通りだと思う。私なんか、４０歳を過ぎて（東洋大学の教員になって）からは、無理して他人と仲良くしようなんて考えなかった。　波長の合う数人の教員としか付き合わなかった。　

　　　精神的にも、霊的にも本当に自由になった。　だから、徐々に霊能力が向上し、５０歳のときには、ヨーロッパでは霊の嵐をたびたび受けることになった。　その後も、霊の嵐は時々やってくる。

　　　学部の執行部の学科長をさせられていた数年間は、「嫌なやつ」とも付き合わなければならなかった。　人間界の無駄な儀礼的（挨拶、祝辞、会議、式典、広告原稿の作成、新入生教育、等など）な労働時間だけが増えて行く。

　　　それで、私の霊、もしくは守護霊、もしくは背後霊軍団、がストライキを起こしたのだと思う。　自分の霊に見放された。　霊感（直観）は全く無くなった。　霊の導きもなくなったのだろう。

　　　ノイローゼ（？）になり、自分の言動が自分でコントロールできなくなり、自分が何をしているかも分からなくなってしまった。　今でも、その時期の自分の言動は思い出す事も出来ない。

３）　河原龍靖

　　　真言宗の密教僧であり、霊能者でもある。　これはめずらしいケースだ。　著者も「彼は僧侶としては珍しい、心霊能力のある僧侶なのだ。」と評価している。　

　　　森家（私は、そこから逃げ出しました）は真言宗です。　法要のたびに真言の密教儀式が繰り返されました。　意味も全く分からないままに、「オン　…………　ソワカ」を何回も唱えさせられました。　般若心経も読まされました。　でも今は覚えてもいない。

　　　一番近い真言宗のお寺は中野の新井薬師でした。　これは、東洋大学の創立者の井上円了と強い関係のあるお寺だったようです。　円了の持っていた土地は、その後、哲学堂と言う公園になった。　そんな因縁もある。

４）　霊と民間療法

　　　中野心聖：　良い水を飲み、大根おろしと、リンゴのすりおろしを食べる。　たしかに、過剰にならなければ健康に良いと思う。

　　　川村法寛：　アルミの１円玉を使った「壱円硬貨療法」は面白い。　スポーツ選手が小さな絆創膏を沢山貼るのと似ているのかな。

　　　山崎敏子：　希少ミネラルを摂取する薬石療法。　サプリメントに頼るよりも正しいと思う。

５）　霊能者って、沢山いるようだ

　　　霊能者のランクは、大、中、小、弱、微、無、と、なるかな？

　　　大霊能者：　　何冊かの本を呼んで分かったけれど、「大霊能者」だって、これだけいる。　より多くの文献を探し出せば、もっともっとすごい霊能者が見つかるだろう。　

　　　このあとに紹介する『超心理学読本』でも、世界的な範囲で、学術的な検証に耐えれる霊能者がたくさん紹介されている。　期待してください。

　　　以下の霊能者ランク付けは、私の勝手な発言で、だれも認めてはいない。

　　　中霊能者：　　大霊能者の次を、「中霊能者」としよう。　これは、世界を動かすような表立った活動はしないが、確実に霊能力を持っており、多くの人に尊敬されている霊能者だろう。　私の師匠のＯＹさんはそれだと思う。

　　　小霊能力者：　　次は「小霊能者」だ。　これは私のような初心霊能者で、霊能力はあるけれど、その霊能力を完全に引き出せていないレベルだと思う。　だから、自分の霊生活で手一杯となり、他人の相談になんて乗れない。

　　　弱霊能者：　　さらに、その次もある。　次は「弱霊能者」だろう。　幼い時に霊体験が少しあり、自分には霊能力があるらしいと感じているレベルだ。　霊能力に関しては、誰も教えてくれないし、指導をしてもくれない。　

　　　　両親は「そんなことはするな」としかりつける。　周りの人は化け物のように感じて遠ざかっていく。　自分も、恐ろしいと感じる。　だから、普通は、ここで霊能力を封印してしまう。

　　　　本当に強い霊能力を持っていたら、いつの日にかは、それが開花する可能性もある。　強くない霊能力の場合は、霊に無関係な人生を送ることになるだろう。　私のように、チサを失いたくないような状況に追い込まれると、霊能力の封印を解くことになる。　そして、小霊能者になっていく。

　　　微霊能者：　　原始人からの遺物の霊能力が残っている人だ。　人間の体に例えると、しっぽの痕跡の尻骨、盲腸、蒙古はん、のように、気づきもせず、役にも立たない。　

　　　無霊能者：　　霊能力を完全に失った人類だ。　かわいそう。

　　　疑霊能者：　　霊能力がないのにあるがごとくふるまう人。　一種の詐欺だ。

霊０９３－１３　『超能力と霊能者』

０９．０１．２６．

　　　高橋紳吾　『超能力と霊能者』現代の宗教⑧、岩波書店、１９９７年。

　　　著者は、東邦大学医学部　精神医学教室の講師で、精神病理学、精神医学を専門としている。　

　　　良い本です。　本書では、超能力者、霊能者、宗教、神秘体験、憑霊、憑依、心の問題、心霊主義、、超常現象、マインドコントロール、カルト、など、広い範囲を採りあげている。　医学、精神医学、宗教学、などの専門知識を用いて、それらの存在の有無を検討している。　

　　　基本的には、超能力とか霊の存在は、科学的には証明されないという立場なようだ。　でも、社会的にはそれらの存在を認めていることが多い。　また、認めたいという気持ちも多い、と理解はしている。

　　　とにかく、多くの文献をも使って、可能な限り分かりやすく説明している。　この本では、「超能力」と「霊能力」の区別が読み取れない。　それは、「超能力」と「霊能力」の定義がされていないからだと思う。

　　　第２章では、医学的には、脳内神経の働き、脳内物質の働きで（そして、それに似た覚せい剤等の薬物）、神秘体験も出来ることを説明している。

　　　第３章では、「憑依」の視点から宗教との関係を検討している。　個々の宗教をもっと詳しく説明してほしいけれど、数行の説明しかない

・　お筆先の天理教、取次の金光教、その流れの大本教

・　舌語りのアッセンブリー教団やイエス御霊教会教団

・　手かざしの崇教真光教団

・　幸福の科学

・　真如苑

等の名前が出てくる。　こうした教団に関しては参考文献がいくらでもあるし、インターネットで調べることも出来るだろう。

　　　第４章は、霊能力なんて言う物は基本的にないのだ。　でも、霊能者は存在する。　という内容だ。　これは、心理学的アプローチでのケース、トリックの視点から見ているケース、ビジネスとしてのケース、などを示し、「霊能者」は社会的存在として「作られる」と主張している。　

　　　霊能力を持っていない人は、そうしか言えないだろう。　すこしは霊能力を獲得するための努力はしてもらいたい。　私なんか、自分自身で霊を感じているし、霊を呼び出したり、霊からの夢ももらっている、と、信じている。　

　　　第５章では、超能力はトリックだと言っている。　霊能力の分析もしないで、霊能力もトリックと一刀のもとに、切り捨てている。　このあたりは非常に不愉快だ。　超能力と霊能力とを区別して記述することが説得力を高めると思う。　味噌も糞も一緒にしているように感じられる。

　　　第６章では、カルト教団を採りあげている。　ちょっと待ってよ。　詐欺的な霊能力なんか、カルト集団で使っているけれど、それを持って、霊能力を否定するのは困る。　

　　　この本の問題点は、あまりにも広い領域にわたって、「博識」の著者が、体系なしに博識を披露しているように感じる。　少なくとも、数冊の本、もしくは、数部に分けて、著述すべきだろう。

・　　宗教と霊能力

・　　超能力と霊能力

・　　カルトと霊能力

「霊」　（２）